自民党の藤木眞也氏が19日、国会審議の花形・参院予算委員会で自身初の質問に臨んだ。新型コロナウイルス禍の中でのJA厚生連病院など医療提供体制の維持や観光業界の支援、農業予算の拡充を強調。昨年の自民党総裁選から「農家の長男」をアピールしてきた菅義偉首相とも、農村の支援の在り方や多様な担い手の重要性を巡り、議論を交わした。
藤木氏は全国農協青年組織協議会(JA全青協)会長、熊本県JAかみましき組合長を経て、JAグループの組織内候補として2016年の参院選で初当選。この日の予算委はテレビ中継もあり、各党の論客がそろう中で質問に立った。
藤木氏は、コロナの感染拡大初期から厚生連病院が積極的に新規感染者を受け入れてきたことを説明。政府のコロナ対策で、経営悪化に歯止めをかけたと評価した一方、財源などに「改善すべき課題も残っている」と強調。旅行業界の経営悪化についても指摘した。
首相に対しては「人口減少や高齢化は農業・農村でより深刻化している。多様な農家に持続的に農業を続けてもらうことが必要」と提起。「総理は農家の出身でこうした実情もよくご存じだと思う」と水を向けた。
首相は「(自身に)いまだに農業の血が脈々と流れている」と答弁。コロナ禍で地方への移住が増えていることを指摘した一方で、「農業で一定の所得を得られる環境をつくっていかなければならない。私もしっかり応援したい」と応じた。
【2021年3月20日付日本農業新聞掲載】