【ふくい】藤木眞也農水大臣政務官は22日、8月の記録的な大雨で被害を受けた福井県と石川県を視察し、JAの代表者らと意見交換した。視察後に藤木政務官は、「想像以上の被害の大きさに改めて驚いた。早い段階での激甚災害の指定と、来年の作付けに間に合うようスムーズな災害復旧に取り組みたい」と営農継続を支える考えを示した。
一行は、川の氾濫で水田に土砂が流入するなど被害が甚大だった福井県南越前町の鹿蒜地区と勝山市野向町、浸水で機械が損壊した石川県のJA小松市の中海カントリーの3カ所を視察した。
勝山市では水上実喜夫市長や川合規史北陸農政局長らが被災状況を説明。滝波川からの用水取水口が損壊した様子や仮設ポンプの設置状況などを視察した。視察後は福井県農業会館でJAや県と意見交換した。藤木政務官は「勝山市、南越前町は積雪が多く、復旧は2年、3年と難航するかもしれないが、省として地元の意見を尊重しながらお手伝いしたい」とあいさつした。
櫻本宏県副知事は「農家によっては営農を断念せざるを得ないとの声もあり、将来の耕作放棄につながらないようJAグループと一体となって対策に取り組みたい」と述べた他、激甚災害に指定し、速やかに工事できるよう要望した。JA福井県の北島友嗣理事は「福井は水稲中心の県。次年度以降も作付けできるよう一刻も早い復旧をお願いしたい」と求めた。
県やJAによると、8月の大雨で、農作物や農業用機械などに約1億3600万円、農地や農道、用排水路などの農業用施設に約62億円の被害が発生している。
【2022年9月23日付日本農業新聞掲載】