自民党は17日、農業基本政策検討委員会(小野寺五典委員長)を開き、米の需給安定に向けた予算確保に向けて議論した。JA全中は、農水省が飼料用米を巡り検討する産地交付金の見直しについて、現場実態に十分配慮して進めるよう要請。議員からは飼料用米は依然拡大が必要な局面にあるなどとして、見直しは「時期尚早」との声が上がった。
同省は会合で、2022年産の産地交付金について、前年より転作を拡大した分や、飼料用米などの複数年契約への加算措置を見直す方針を示した。
全中は金原壽秀副会長、伊藤孝邦水田農業対策委員長らが出席し要請した。産地交付金を巡っては、伊藤委員長は「複数年契約に取り組んできた産地の取り組みなどに十分配慮してほしい」と求めた。
議員からは、産地交付金の転作拡大分への加算見直しを巡り、「飼料用米は定着どころか、拡大しなければならない。現場に違ったメッセージが伝わってしまう」(藤木眞也氏)などと慎重な検討を求める声が上がった。佐賀県選出の議員からは、21年産の産地交付金で当初想定していた額より配分が減ったとして、対応を訴える声が相次いだ。
全中は22年産米の作付け転換の推進へ、水田活用の直接支払交付金の十分な確保や、飼料用米などの戦略作物助成の単価維持も要請。水田リノベーション事業では、飼料用トウモロコシなど国産需要や労働生産性の高い作物の増産を支援することや、米穀周年供給・需要拡大支援事業で21年産米への支援拡充なども求めた。