【ふくい】福井県農政連は15日、幹部研修会を福井市のJA福井県福井基幹支店で開き、新型コロナウイルス禍による農産物の価格低迷や貿易の自由化による影響など農政課題について研修した。
農政連の分会長やJA役職員、県選出の国会議員、県会議員ら約270人が参加。冒頭で北島友嗣会長は衆院選で推薦した候補の当選と自民党の勝利に触れ、協力に感謝。「米価下落によって農家の生産意欲が減退し、耕作放棄地が増えることが懸念される。余剰米の市場隔離を求めたい」とあいさつした。
前農相の野上浩太郎参院議員が「日本の農業を巡る情勢について」と題し講演。野上議員は「コロナ禍で一部の高級食材は依然として在庫が滞留し、自然災害による農業被害も多かった」と危惧した。国内の市場規模が縮小する可能性がある中「大震災10年を節目に米国が輸出規制を撤廃し、EU(欧州連合)は大幅に緩和した。この流れを捉えて農産物輸出拡大の推進力としたい」と述べ、競争力のある強い農業の構築が急務とした。スマート農業を推進するため、コスト低減に向けた対策の重要性も示唆した。
続いて、藤木眞也参院議員が、直近の農政について報告した。米価下落を受け、国が特別枠で昨年産米15万トンを長期保管することについて「実質的な市場隔離で、3年以上保管するため市場に出ることは考えにくい」と述べた。また、脱炭素社会に向け農業用ハウスの暖房をヒートポンプに変えるなど、燃油高騰対策と合わせた支援を検討していきたいとした。
北島会長は来夏の参院選福井選挙区に出馬を表明している現職の山崎正昭氏に推薦証を手渡した。